最終更新日 2023年4月27日 by plavacek
アパートや賃貸のマンションを経営している場合、家賃の滞納が起こることがあります。
近年ではこのようなトラブルを回避することから家賃保証会社を入れることもあり、ある程度滞納されてしまった分は保証されますが、家賃保証会社を入れていない場合は自分で回収をしに行かなくてはなりません。
家賃滞納が生じていることが長く続けば続くほど損失は多くなっていき、さらに法律では借主の権利もしっかりと保護されているので、きちんと解決するには言葉の選び方なども注意する必要があります。
まず電話にて家賃支払いを催促する
家賃滞納が起きている場合、まず電話にて家賃支払いを催促します。
この時家賃支払い日の午後3時以降になったら誰が支払いをしていないかを確認し、速やかに連絡をするようにしてください。
初期の段階で素早く対応することが大切であり、借主に支払いをしっかりとしてほしいことを明確に伝えます。
同情などから3日だけ待つ、次の月に支払いをまとめるなどのことは行わないでください。
日数に関係なくしっかりと家賃を支払うのが通常であるので、毅然とした態度で臨む必要があります。
もしもう少し待ってほしいと言われたらそのままにせず、何日までに入金してほしいなど、期日を明確にしておきましょう。
もし約束した日になっても家賃滞納が生じている場合は連帯保証人に連絡を入れます。
連帯保証人は契約時に設定することが多く、借りている人に代わって家賃を支払う義務があります。
連帯保証人に連絡をすることにより、保証人が直接借主と話をするのでスムーズに家賃の支払いが行われることも多いです。
ですが注意点として、いきなり家賃を支払えと言うのではなく、借主が何か月分滞納しているか、ということを簡潔に伝え支払いをしてほしいことを話します。
連帯保証人は家賃滞納が起きているということは知らないことが多いので、そんなことを言われても困る、と返されてしまうこともあります。
まずはゆっくりと話をし、期日については毅然とした態度で伝えるようにします。
直接会いに行ったり電話で話したりしても支払ってもらえない場合
直接会いに行ったり電話で話したりしても支払ってもらえない場合は、内容証明郵便を送り、再度催促を行います。
内容証明郵便は催促した事実が残されるため、証拠として残り、万が一裁判に発展した時にも示すことができます。
ですが内容証明郵便は相手が受け取らないと話になりません。
拒否されることもあります。
拒否されないためには、特定記録郵便と内容証明郵便をセットにして送付することが大切であり、特定記録郵便をつけた場合は、送付した時点で相手に伝わっていることになるので、拒否や知らないと言われることはありません。
なお、この2つの郵便は、郵便局から送付することができ、さらに送付した事実も渡してもらえます。
内容証明郵便を出すまでになると、家賃滞納は相当な額になっていることもあるので、賃貸借契約を解除することや明渡しを求めることを記載するようにします。
目安は滞納が2か月続いたらですが、明確な期間が決められているわけではありません。
ですがしっかりと支払ってもらうには早期の行動が必要となります。
裁判で勝訴判決が出ると強制的に立ち退かせることができる
この内容証明を受けてもまだ自主的に立ち退いてもらえない場合は、裁判になってしまいます。
この裁判では家賃滞納がどの程度起きているのか、支払い催促はどのくらいの期間に何回行われたかなど経緯を示さなくてはなりません。
しっかりとした証拠を提示できるよう、内容証明郵便の控えや借主へいつ連絡をし、どのような話をしたのかを記録しておくようにしてください。
裁判で勝訴判決が出ると強制的に立ち退かせることができます。
なお契約解除に該当するのは、家賃の滞納が3か月以上続くことが必要です。
1か月や2か月という短い期間は該当しないため注意してください。
さらに裁判から判決まで2年近くかかることもあり、裁判を起こしたくないと考える場合は、いつまでに退去すれば未払い分は免除とすると通知すると退去することがあります。
家賃は回収できませんが、結果としてすぐに退去してもらったほうが負債が少なくて済む場合もあるので、検討してみるようにします。
まとめ
家賃の滞納を防ぐにはしっかりと事前の準備が必要となります。
借主の収入額、連帯保証人の確認、家賃保証会社の利用義務付けなどの基準を設け、この基準から外れるのであれば入居を断ったほうが良いでしょう。
空き室率よりも家賃の滞納の方が手間がかかるだけでなく、債務となることがあるので、どの人も受け入れることは控えたほうが良いです。
さらに首都圏では人間関係が薄れていますが、どのような人が入居するのかを把握することも大切です。
契約時に直接接しておくとコミュニケーションがとりやすくなり、スムーズに話が進むことも多くなります。
ですが、コミュニケーションはほどほどにしなくてはなりません。
親しい仲であっても礼儀は必要であり、なれ合いは決まり事を破ってしまう恐れもあるので、一歩引いた関係であるようにします。
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