癒しが切望されるストレス社会

最終更新日 2023年4月27日 by plavacek

癒しがさかんに求められるようになった背景とは

休日を有意義に過ごすためのレジャーと言えば、一昔前までは人気の観光地を訪れ非日常体験をしたり、スポーツに汗を流すなど積極的に楽しみを求めに行くといった雰囲気が主流でした。

現在でそういった休日を過ごす人も少なくありませんが、週明けに疲れを残すようなアクティブな過ごし方は敬遠されるようになり、日曜日の午後などは自宅で静かに過ごして真の休養に充てる人が老若男女問わず増えたと言えます。

休日すべての時間をたっぷり使って週明けに疲労感を残しかねない活動的なレジャーよりは、ひたすらゆったり休養して癒しのひとときを過ごし気力体力を回復させることを目指す人が増えたことも近年の特徴で、その方法も長時間移動して遠方の温泉地を目指すより、自宅近郊の温泉施設で入浴や岩盤浴を楽しみマッサージなども受けるといった手軽な方法が選ばれやすくなっています。

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スマートフォンとSNSの普及

可能な限り手軽な方法での癒しがさかんに求められるようになった背景には、やはり日常的に過度のストレスにさらされながら通勤や通学を行っている人が増加したことが挙げられていますが、その風潮をさらに強めて定着させている要因の一つにスマートフォンとSNSの普及が挙げられています。

家族や友人知人、趣味の仲間などといつでも気軽にコミュニケーションをとることができ、連絡手段としても便利に利用されているツールですが、常にお互いの状況をチェックし合って気遣いある対応を行う必要があることから、知らず知らずのうちにストレスが溜まって行きます。

仕事の合間にSNSをチェックする時間こそ心和むひとときと感じていても、刻々と変化する目まぐるしい情報にさらされているだけで神経が緊張状態になって行きます。

多くの人があまり意識しないようにしていますが、どれほど好ましいと思っている友人知人であっても自分よりも良い状況になったと思った瞬間、どうしても羨む心が生じてしまいそういった機会が積み重なると嫉妬の念に取りつかれてしまうこともあります。

そういった気持ちを抱くことは良くないと考えている人ほど、人の幸せ話を面白くないと思った瞬間に罪悪感を抱き、大きなストレスを感じることにもなります。

他人の状況などむしろ知らないほうが心が平穏でいられるのですが「つながり」が良いものと刷り込まれている人が多い社会ではいったんSNSの輪に入ってしまうとその中でうまく立ち回ることを求められ続けるため、仕事先での人間関係に疲れオフタイムのSNSでさらに疲れるといった事態にもなりかねません。

根強い「つながりバンザイ」信仰のようなものが根底にある

社会全体が癒しを珍重するようになった背景には、根深い「つながりバンザイ」信仰のようなものが根底にあります。

それを認識した場合、心和ませる最も良い方法はSNS断ちですが、一方で「孤独は良くない」という風潮が強いことで、インターネット上の人間関係を一定期間といえども閉じてしまうことに恐怖感を抱く人も少なくなく、SNSを現実での仕事や学校の付き合いと連動させている人ほど困難と言えます。

そのため一時的でも心癒されるひとときを求めて奔走することになり、何が何でも癒されたいと考える人々で温泉施設や猫カフェふくろうカフェなどが大賑わいとなります。

現代のややこしいところは、自分がいかに癒されたかを証明するためにヒーリングスポットなどに行った際に必ず写真を撮ってSNSに投稿し、いいねをたくさんもらわなければ癒された気にならないといったケースがあることです。

承認欲求が満たされることもヒーリングの一環ということで致し方ない状態ではありますが、その癒しアピール写真を見た友人知人に妬み心が湧く可能性が無きにしも非ずということも心の片隅で意識しておくほうが、長い目でみた場合に安全と考えられます。

他者と比べなければ自分が良い状態にいるのかどうか把握できないという人も少なくないため、自分はしっかり癒されて、いいねで人にもそれを認めてもらえたからヒーリング完了と意識する人と、自分よりも良い状態になったらしい人を意識して面白くなくなる人がいる現実も、多くの人が何が何でも癒されたいという気持ちに陥る要因と考えられます。

お互いの深層心理をつつき合うようなSNSのつながり方は、ここ数年で急速に構築されてしまったため適度な距離感で対応するメソッドのようなものが確立されておらず、単にSNS疲れと表現されて疲弊しきった人からリタイアするといった状況です。

SNS のつながりはパーソナルな悩みのように見えてストレス社会の悪化要因である

そういったことは非常にパーソナルな悩みのように見えてストレス社会の悪化要因になっていると考えられ、人々が疲れ切ってひたすら癒しを切望する状況になる前に何らかの方策を見出しておく必要があります。

何かを能動的に行うよりもとにかく癒されたいと願う人の増加は、ただでさえ余暇が少ないと言われる日本人の心をさらに疲弊させて生産的で前向きな意欲の低下を加速してしまう恐れがあり、社会の閉塞感をいっそう強めてしまいかねません。