最終更新日 2023年4月27日 by plavacek
⒈臨床検査の種類
臨床検査は医師が病気を診断し治療していくために行われる検査のことで、様々な種類の検査があります。
病気特有のサインを確認するために診察が行われますが、臨床検査はこのことを確認するために行われます。
臨床検査では医師の診断を裏付けるために行われるといえますが、この検査はこうした病気を見つける他にも、治療方針を決める時にも活用されます。
また、治療経過をみたり、病気の原因追求を行うためにも利用されています。
さらに、回復の程度など重度などを知るためにも活用されているのです。
この検査では患者さんの血液や細胞、臓器の一部や尿や便などが用いられます。
こうした臨床検査にはいくつか種類があり、大きく検体検査と生理機能検査という2つに分けられれるのです。
まず、検体検査は患者さんの尿や血液、痰や組織などの検体を採取して、これらを化学的な方法や形態学的な方法で検査します。
一方、生理機能検査は患者さんの心臓や脳の動きを電気的な波形として示したり、画像にして観察します。
⒉検体検査について
検体検査は一般検査と血液検査、生化学検査や免疫血清検査、細菌検査や病理検査、輸血検査といった検査があります。
まず、一般検査は尿や便といった体液を用いたり、胃液や脳脊髄液や穿刺液などを用いて検査が行われます。
血液検査は赤血球や白血球、血小板といった細胞成分やこうした細胞成分を除いた血漿成分に関する検査になります。
さらに生化学検査は患者さんの血清などを化学的な方法で分析します。
免疫血清検査は血清中の抗体や補体など調べ、肝炎やリウマチなどを診断する検査で、細菌検査は微生物の種類を調べ、感染症治療に役立てるために有効な抗生物質を決定するための検査になります。
加えて、病理検査は人体の組織の顕微鏡観察標本を作製します。
そして、疾患の原因や性か悪性かを組織細胞学的な方法によって調べるための検査になります。
その他、輸血検査という検査では血液型検査や輸血用血液が輸血できるかどうかを調べます。
この他にも染色体やDNAを調べる検査などが行われています。
⒊生理機能検査について
それに対して、生理機能検査には循環機能検査や呼吸器検査や脳神経金機能検査などがあります。
まず、生理機能検査では心電図や心音図などで心臓の機能評価が行います。
機能評価を行うための一連の検査が生理機能検査になります。
そして、呼吸機能検査は肺の機能を評価するための検査で、肺活量や最大換気量などを調べます。
神経筋機能検査は脳波や筋電図などで中枢神経や末梢神経、そして筋肉の機能評価を行います。
さらに、超音波検査と呼ばれ、超音波を利用した検査もあります。
この検査では肝臓や腎臓、心臓などの臓器を視覚的に観察することができます。
⒋臨床検査技師のお仕事
このような臨床的な検査を行っているのが臨床検査技師といわれる人々です。
この技師は患者さんを検査して得られたデータを診断に役立てるという役割を担っています。
この役割はチーム医療という考え方においてとても重要です。
チーム医療とは医師や看護師、理学療法士などのそれぞれ分野の専門の医療従事者が、おのおのの専門性や特性をいかしながら、密に連携して患者さんの治療にあたることをいいます。
このチーム医療を通し、患者さんに最善の医療を提供することができるといったメリットが生まれます。
チーム医療では医師が診療を担い、看護師が看護に責任をもちます。
作業療法士などがリハビリを担うのに対して、この技師は検査を通して患者さんの健康をサポートしているのです。
以前は臨床的な検査も医師が担っていましたが、こうした技師が臨床的な検査について責任をもつようになってきたのです。
その背景にはこれまでの、病気になってから治療をするという考えがシフトしているということが挙げられているのです。
昨今は病気予防や早期発見早期治療といった考え方も普及しています。
また、再発を防止するための定期的な検査などに対する意識も高まっています。
このようなバックグランドからこの技師の役割に対するニーズが高まってきたといえます。
⒌まとめ
このように、臨床的な検査にはいろいろな種類の検査があります。
この検査技師の仕事は、医師の診断や治療方針決定のために必要とされる臨床的な検査データを集めるための検査を行って、その報告を行うということになります。
こうした検査では病気を見つけるだけでなく、治療方針を決める際にも活用されるようになっています。
さらに、治療経過を知るだけでなく、病気の原因について調べるために行われているのです。
こ検査は診断や治療、予防といった様々なシーンで検査が行われています。
そして、この検査を専門的に行っているのが臨床検査技師です。
この技師は患者さんに対して臨床的な検査を行うことに責任をもっており、患者さんが安心して治療を受けられるように、必要な検査を行う医療スタッフです。
チーム医療という視点に立って、他のメンバーと協力して検査を進めていきます。
※保健科学東日本より引用